
米国市場で日本の抹茶を販売するには、FDA規制への準拠が不可欠です。主な手順は以下のとおりです。

日本の抹茶を米国市場で販売するためのFDA規制対応ガイド
日本の抹茶は、米国市場で高級食品、健康志向食品、カフェ原料、スイーツ原料、ギフト商品として高い注目を集めています。 しかし、米国で継続的かつ安定的に販売するには、品質やブランド力だけでなく、FDA食品規制、食品施設登録、米国代理店、 事前通知、食品表示、FSVP、オーガニック表示、輸入時の書類管理までを一体として準備することが重要です。
とくに日本から米国へ直接出荷するメーカー、茶園、加工業者、包装業者、輸出業者、ブランドオーナー、 Amazon FBA販売者などは、出荷後に問題を修正するのではなく、輸出前の段階でFDA対応を整えておくことが、 通関遅延や販売停止、ラベル再印刷、返品などの余計なコストを避けるための重要なポイントになります。
はじめに:米国市場で広がる日本産抹茶の可能性
抹茶は、単なる日本茶ではなく、日本文化、伝統、品質、健康志向、プレミアム食品という複数の価値を同時に伝えられる製品です。 米国では、抹茶ラテ、抹茶スムージー、抹茶チョコレート、抹茶クッキー、抹茶アイスクリーム、ベーカリー用原料、 業務用カフェ原料など、さまざまな形で利用されています。家庭用の小売商品だけでなく、レストラン、カフェ、食品製造業者、 健康食品ブランド、eコマース販売者にとっても、抹茶は差別化しやすい商材のひとつです。
その一方で、米国市場は食品規制、輸入手続、ラベル表示、食品安全管理に関する要求が明確です。 日本国内で問題なく販売されている商品であっても、米国ではそのまま販売できるとは限りません。 日本語中心のラベル、米国規格に合わない内容量表示、栄養成分表示の不足、FDA施設登録情報の不一致、 FSVPに必要な文書不足などは、輸入時や販売開始後の問題につながる可能性があります。
特にAmazon、Shopify、TikTok Shop、専門小売店、カフェチェーン、食品卸売業者など複数のチャネルで販売する場合、 「FDAで何が必要か」だけでなく、「輸入業者、通関業者、販売プラットフォーム、バイヤーが何を確認するか」まで考えた準備が重要です。 本ガイドでは、日本の抹茶を米国市場へ輸出・販売する際に確認すべき主要なFDAコンプライアンス項目を章ごとに整理します。
第1章:抹茶は米国FDA上どのような食品として扱われるか
抹茶は、一般的には食品として扱われます。粉末緑茶、茶製品、飲料原料、菓子やベーカリー向け食品原料として輸入される場合、 FDAの食品規制の対象になります。純粋な抹茶粉末を小売販売する場合と、砂糖、乳成分、香料、その他の原材料を混合した 抹茶ラテミックスとして販売する場合では、原材料表示やアレルゲン表示の内容が変わります。
また、製品そのものの成分だけでなく、販売時の表示や広告表現も重要です。抹茶は健康イメージが強いため、 「健康的なライフスタイルに」「毎日の抹茶習慣に」といった一般的な食品表現と、 「病気を治療する」「血糖値を下げる」「がんを予防する」といった医薬品的な表現を区別して管理する必要があります。 商品ページ、SNS広告、インフルエンサー投稿、パンフレットなども含め、製品カテゴリーに適した表現を維持することが重要です。
抹茶粉末、抹茶飲料原料、料理用・菓子用原料などとして販売する場合は、 一般食品に適用されるFDA食品規制、施設登録、ラベル表示、輸入手続などが中心になります。
疾病の治療、予防、症状改善などを示唆する表現は、通常の食品広告の範囲を超える可能性があります。 商品ページや広告文を含め、輸出前に訴求内容を確認することが重要です。
第2章:FDA食品施設登録が必要な理由
日本で抹茶を製造、加工、包装、または保管する施設は、米国向け食品を取り扱う場合、原則としてFDA食品施設登録の対象になります。 この登録は、米国へ食品を輸出するための基本的なコンプライアンス要件のひとつです。 製品ブランド名だけを登録する制度ではなく、実際に食品関連活動を行う施設単位で情報を管理する点が重要です。
抹茶のサプライチェーンでは、茶葉の生産者、碾茶加工施設、抹茶粉末への加工施設、充填・包装施設、 保管倉庫など複数の拠点が関与する場合があります。どの施設が米国向け製品の製造、加工、包装、保管に関与しているかを整理し、 登録対象となる施設を確認しておく必要があります。
FDA食品施設登録は、一度登録すれば永久に有効というものではありません。偶数年ごとの更新期間に更新し、 会社名、物理的住所、連絡先、食品カテゴリー、活動内容、米国代理店などの情報を正確に維持することが重要です。 企業移転、工場移転、法人名変更、代理店変更などがあった場合には、登録情報との整合性も確認する必要があります。
FDA食品施設登録で特に確認したいポイント
第3章:DUNS番号と施設識別情報
FDA食品施設登録では、DUNS番号と呼ばれる固有の施設識別情報が使用されます。 DUNS番号は企業や施設の識別に用いられ、施設登録情報との整合性が重要になります。 特に日本企業の場合、登記上の会社住所、実際の製造施設住所、倉庫住所、英語表記の住所が異なることがあるため、 どの住所がFDA施設登録の対象となる実体施設なのかを明確にする必要があります。
実務上よくある問題として、法人名の英語表記の違い、番地やビル名の省略、郵便番号の不一致、 「本社住所」と「工場住所」の混同などがあります。これらの違いがあると、FDA登録や登録更新、 輸入書類の照合時に確認が必要になる場合があります。
FDA向けの施設情報を準備する際は、会社案内、登記情報、請求書、製造証明書、DUNS情報など複数の資料で 英語表記をできるだけ統一しておくと管理しやすくなります。特に通関業者や米国輸入者に情報を共有する際は、 「登録された施設名」と「出荷書類上の施設名」が大きく異ならないよう注意が必要です。
第4章:米国代理店の任命
米国に拠点を持たない日本の抹茶メーカー、加工業者、包装業者、その他の外国食品施設は、 FDA食品施設登録において米国代理店を任命する必要があります。米国代理店は、 FDAと外国施設の連絡窓口として機能し、FDAからの連絡や確認事項が発生した場合に重要な役割を果たします。
米国代理店を単なる「米国の住所」として考えるのは適切ではありません。 FDAから連絡が入った場合には、その内容を迅速に確認し、必要に応じて日本側の施設へ伝達し、 回答や対応の流れを整える必要があります。代理店の連絡先が古い、担当者が連絡を受けられない、 代理店側が施設との関係を把握していないといった状態は避けるべきです。
ITB HOLDINGS LLCのようなFDAコンプライアンス支援会社を米国代理店として活用することで、 日本語と英語の間にある言語面、文化面、規制実務面のギャップを減らしやすくなります。 FDA登録だけでなく、ラベル確認、輸入時の文書、FSVP関連書類などを同じコンプライアンス方針で整理することにもつながります。
第5章:米国輸入時の事前通知
抹茶を米国へ輸送する場合、FDAに対する事前通知が必要です。 これは、食品が米国へ到着する前に、FDAへ出荷情報を提出する仕組みです。 元の資料では、航空便は到着の少なくとも4時間前、海上便は少なくとも8時間前が一般的な目安として示されています。
事前通知では、製品名、数量、製造業者、出荷者、輸入者、到着港、輸送方法など、 実際の出荷内容に関する情報が使用されます。そのため、Commercial Invoice、Packing List、 Air WaybillまたはBill of Ladingなどの出荷書類と、FDA関連情報の整合性が重要です。
小口サンプル、テスト販売、Amazon FBA向けの初回出荷などでは、 「量が少ないから簡単な扱いでよい」と考えがちですが、食品輸入として必要な手続を省略しないことが重要です。 事前通知の情報に不備がある場合、輸入手続が遅れたり、貨物が保留されたり、 追加確認が必要になる可能性があります。
第6章:抹茶ラベルに必要なFDA表示要件
米国で販売される抹茶製品のラベルは、FDAの食品表示要件に適合するよう準備する必要があります。 日本国内向けのパッケージをそのまま米国で販売すると、英語表示、内容量、Nutrition Facts、 原材料、事業者情報などの点で不足が生じる可能性があります。
米国向けラベルを設計するときは、製品名だけでなく、主表示面と情報表示面の構成、 内容量、原材料、栄養成分、アレルゲン、製造者・包装者・販売者情報などを全体として確認することが重要です。 輸入後にステッカーで修正する方法を検討する企業もありますが、販売チャネルや商品形態によっては、 最初から米国向けパッケージを作成した方が運用しやすい場合があります。
「Matcha Green Tea Powder」「Matcha Powder」など、 米国の消費者が製品の内容を理解しやすい名称を使用します。
例として「NET WT 3.5 OZ (100 g)」のように、 米国慣用単位とメートル法の両方を分かりやすく表示します。
純粋な抹茶のみの場合でも、製品内容が分かるよう明確な原材料表示を準備します。
製造、包装、販売などの役割に応じて、ラベル上の事業者名・所在地表示を整理します。
第7章:栄養成分表示と小規模事業者の注意点
米国では、多くの包装食品にNutrition Facts表示が求められます。 抹茶は一回の使用量が少ない製品であっても、小売用包装食品として販売する場合には、 Serving Size、Calories、Total Fat、Sodium、Total Carbohydrate、Proteinなどを含む 栄養成分表示の作成を検討する必要があります。
Nutrition Factsは、数値を記載すればよいだけではなく、書式、文字の大きさ、表示順序、 Serving Sizeの設定なども重要です。日本国内向けの栄養成分表示を英訳しただけでは、 米国の表示形式と一致しない場合があります。
小規模事業者には一定の免除制度が適用される可能性がありますが、 販売量、従業員数、販売方法、栄養強調表示や健康関連表示の有無などによって状況が変わります。 また、法律上の免除対象であっても、Amazon、米国小売店、ディストリビューター、バイヤーが Nutrition Factsの提出を取引条件として求める場合もあります。そのため、 輸出前の段階で米国向けの栄養表示方針を決めておくことが実務上有効です。
第8章:原材料、アレルゲン、汚染リスク
純粋な抹茶であれば原材料構成は比較的シンプルですが、 抹茶ラテミックス、砂糖入り抹茶、乳成分入り抹茶、フレーバー抹茶、 スイーツ向けミックス粉などでは原材料表示が複雑になります。 乳、大豆、小麦、ナッツ類などを含む場合は、米国向けアレルゲン表示についても確認が必要です。
また、抹茶は農産物由来の粉末食品であるため、食品安全面では残留農薬、重金属、微生物、 異物、保管中の湿気やカビなどのリスクを考慮する必要があります。 米国輸入業者はFSVPに基づいて外国供給業者の食品安全管理を確認するため、 日本側のメーカーにも試験成績、製造工程、衛生管理、ロット管理、是正措置などに関する資料が求められることがあります。
原料仕様書、配合表、サプライヤー情報を整理し、 米国向けラベルと実際の配合内容が一致していることを確認します。
COA、残留農薬、重金属、微生物などの試験情報を、 製品やロットに応じて整理しておくと輸入者への説明がしやすくなります。
第9章:FSVPと米国輸入業者の責任
FSVPはForeign Supplier Verification Programの略称で、 米国輸入業者が外国供給業者と輸入食品の安全性を検証するための制度です。 日本の抹茶メーカー自身が必ずFSVP輸入業者になるわけではありませんが、 米国側の輸入者、Amazon販売者、ディストリビューター、ブランドオーナーなどから 食品安全資料の提出を求められることがあります。
FSVPでは、製品ごとの危害分析、外国供給業者の評価、適切な検証活動、 是正措置、記録の保管などが重要になります。抹茶については、 残留農薬、重金属、微生物、異物、保管条件、ラベル情報などが検討対象になる可能性があります。
日本側の供給業者がCOA、製造工程図、衛生管理手順、試験結果、認証書、 トレーサビリティ資料などを整理しておけば、米国側のFSVP担当者が供給業者を評価しやすくなります。 これはFDA対応だけでなく、米国バイヤーとの商談や継続取引にも役立ちます。
第10章:オーガニック抹茶を米国で販売する場合
日本でJASオーガニック認証を受けた抹茶を米国でオーガニックとして販売する場合は、 USDA National Organic Programとの関係や、輸入時に必要となる有機関連書類を確認する必要があります。 日本で有機認証を受けていることは重要な出発点ですが、 米国向けラベル上で「Organic」と表示する際には、米国市場向けの表示と証明書管理を意識する必要があります。
出荷時には、NOP輸入証明書、JAS認証関連書類、認証機関情報、ロット情報などを整理し、 実際に輸出するロットとの紐付けが分かる状態にしておくことが重要です。 ラベル上では、オーガニック表示、認証機関名、使用するロゴなどを含め、 製品の認証状況に合った表示を行う必要があります。
オーガニックは消費者にとって重要な価値表示である一方、 誤った表示や証明書との不一致があると、販売者や輸入者から修正を求められる可能性があります。 そのため、一般の食品表示と同様に、オーガニック表示も輸出前に確認しておくことが重要です。
第11章:Amazon FBAで抹茶を販売する際の追加注意点
米国Amazon倉庫へ抹茶を出荷する場合、FDA規制に加えて、 Amazon側の食品カテゴリー要件、ラベル画像、賞味期限、ロット番号、 英語表示、輸入者情報、販売者情報、商品説明文、広告表現などにも注意が必要です。
Amazonの倉庫は、単に貨物の配送先として機能する場合があり、 輸入に関する法的責任を自動的に引き受けるわけではありません。 そのため、日本企業が米国法人を持たずにFBA販売を行う場合は、 誰が輸入者になるのか、誰がFSVPを担当するのか、誰が通関業者と連絡するのか、 商品に問題が生じた場合の返品先や連絡先をどうするのかを明確にしておく必要があります。
また、Amazon商品ページに表示される画像や説明文が、実際のパッケージ表示と矛盾しないことも重要です。 パッケージでは控えめな表現を使っていても、商品ページで医薬品的な表現を強く使用すると、 製品全体の規制リスクを高める可能性があります。
第12章:広告表現と健康強調表示のリスク
抹茶は「健康」「自然」「エネルギー」「集中」「リラックス」などのイメージと結びつきやすい製品です。 しかし、米国で食品として販売する場合、疾病の治療や予防を直接または間接に示す表現は慎重に扱う必要があります。
たとえば「デトックス」「脂肪燃焼」「血糖値改善」「免疫治療」「病気予防」などの表現は、 単なる食品の味や品質説明とは性質が異なります。 一般食品としての販売を目的とする場合は、味、香り、産地、伝統、茶道文化、 飲み方、料理用途、品質管理、日常のライフスタイルなどを中心に訴求する方が管理しやすくなります。
表現管理の対象はラベルだけではありません。 Amazon商品ページ、Shopifyサイト、SNS広告、YouTube動画の説明欄、 インフルエンサー向け資料、販売代理店の販促資料なども含めて、 ブランド全体で同じコンプライアンス方針を維持することが重要です。
第13章:日本企業が準備すべき輸出前チェックリスト
抹茶の米国輸出では、ひとつの手続だけを完了すれば十分というわけではありません。 施設登録、ラベル、輸入、FSVP、品質文書、販売チャネルの要件を関連付けて確認することが重要です。 出荷直前に初めて不足書類が見つかると、ラベル再印刷、貨物保留、出荷延期などにつながるため、 できるだけ早い段階でチェックリストを使用して準備状況を確認します。
第14章:FDAコンサルタントサービスの重要性
食品、栄養補助食品、化粧品、医療機器、医薬品など米国の規制対象製品を扱う企業にとって、 FDAコンプライアンスは一度の登録作業ではなく、継続的に管理する業務です。 日本企業が自社だけで英語の規制文書、施設登録、ラベル、輸入、FSVP、 FDAからの連絡対応を管理することは、担当者に大きな負担となる場合があります。
FDAコンサルタントは、単なる翻訳ではなく、規制文書と実際の輸出業務の間をつなぐ役割を果たします。 例えば、日本側では一般的なパッケージ表現でも、米国向けには追加表示が必要になる場合があります。 反対に、米国輸入者やバイヤーが求める資料を事前に整理しておけば、 商談や新規取引開始の際に、企業としての準備状況を示しやすくなります。
元の資料では、9,843社を超える日本の食品企業がFDAコンサルタントサービスを利用し、 ITB HOLDINGS LLCのサポートに感謝していると記載されています。 同様に、抹茶メーカー、茶園、輸出業者、ブランドオーナーも、 米国市場向けの規制対応を事前に整えることで、時間、コスト、社内負担を抑えながら輸出準備を進めることができます。
結論:抹茶の品質とFDA対応が米国成功の鍵
日本の抹茶は、品質、伝統、味、ブランド価値の面で米国市場に大きな可能性を持っています。 しかし、米国で継続的に販売するためには、FDA食品施設登録、DUNS番号、米国代理店、 事前通知、ラベル表示、Nutrition Facts、FSVP、オーガニック関連書類、 広告表現などを総合的に管理する必要があります。
米国市場では、良い商品であることだけでは十分ではありません。 規制に対応した商品であること、輸入者が安心して取り扱えること、 販売プラットフォームやバイヤーが求める資料を提出できることが重要です。 輸出前に正しい準備を行うことで、通関遅延、販売停止、ラベル修正、返品、 再出荷などの余分なコストを避けやすくなります。
抹茶メーカー、茶園、食品輸出業者、Amazon販売者、ブランドオーナーは、 米国販売を開始する前にコンプライアンス体制を整理し、 FDA対応と品質管理の両面から長期的に信頼されるブランドを目指すことが重要です。
米国で日本の抹茶を販売する準備はできていますか?
ITB HOLDINGS LLCは、日本企業のFDA食品施設登録、米国代理店、 ラベルレビュー、FSVP関連文書、Amazon FBA向け食品コンプライアンスなどを支援します。 抹茶の米国輸出を計画しているメーカー、茶園、輸出業者、ブランドオーナーは、 出荷前に必要な規制項目を整理し、よりスムーズな市場参入を目指してください。
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